ゴール&ストラテジによる残念なシステムのなくし方(講師:早稲田大学 鷲崎弘宜さん)

 報告が遅れ、大変申し訳ありません。QuaSTomの2018年度最初の例会では「ゴール&ストラテジ
による残念なシステムのなくし方」というテーマでGQM+Strategies(R)の概要と活用例の説明、例題
によるグループ演習、活用にあたってのディスカッションを行いました。

■GQM+Strategies(R)とは
 社内情報システムを開発するにあたり、経営・事業戦略との整合、システムで実現する業務の明確化
を行うことによって、開発されても使われない残念なシステムをなくすことを目的としています。
 そのために全社と各組織をつなぐ組織目標と戦略を木構造で表現したGQM+Strategies(R)グリット
をつくります。全社目標と戦略、各組織の目標と戦略(施策)のつながりを組織構成に合わせ可視化
し、整合性を明示します。なお、各組織のそれぞれの戦略の根拠もコンテキスト(十分な証拠があるも
の)と仮定(不確かな特性もしくは推測)に分けて明確にします。
 全社とそれぞれの組織でグリッドを作った後、目標や戦略を整合させ、戦略実施計画やデータ収集/
分析の仕方の整理、途中のフィードバックの仕組みを決め、戦略を実行します。
そして概ね1年後にデータを分析し結果をレビューして、グリッドの改善(間違った仮説の是正も含
めて)をしていきます。

 例題による演習では、3グループに分かれた上でケースに示された会社内の3部門それぞれの立場か
らGQM+Strategies(R)グリットを検討しました。また、実際に活用する上での疑問点を講師とともに
意見交換しながら解決していきました。
 この方法は、情報システム開発だけでなく、品質保証部門などスタッフの施策検討などにも使うこと
ができるため、今回の例会で学んだ内容をもとに、開発部門以外も含め会員が職場に持ち帰り活用した
結果を今後共有する機会を作ります。また、QuaSTom自体もこれを活用します。QuaSTomのGQM+
Strategies(R)を第2回例会で参加者といっしょに検討し今年の活動を1年後に評価することにしまし
た。1年後にどうなっているのでしょうか。ご期待ください。